腸内環境を整える日常生活のポイント
健康維持には腸内環境も関わっているといわれています。今回は、腸内環境を整える日常生活のポイントについてご紹介します。
1.腸内環境と健康との関係
人間の腸内には、約1,000種類もの多くの腸内細菌が生息しており、大人の場合、重さにして約1〜2kgにもなるといわれています。 |
腸内環境の良し悪しは、これら3つの腸内細菌のバランスで決まり、善玉菌:2割、悪玉菌:1割、日和見菌:7割の状態が理想的なバランスといわれています。
つまり、バランスの取れた状態では、善玉菌が優勢に働くことで、消化吸収をスムーズにしたり、お通じを改善したり、腸内でビタミンを合成する等の働きが活性化します。
また、腸内細菌は、他にも次のような役割を果たしているといわれています。
免疫の調整
腸は、消化・吸収を行う過程で、体にとって異物である食物等に直接触れる必要があります。 |
肥満の予防
善玉菌の一部や日和見菌の一部は、食物繊維等を分解する際に「短鎖脂肪酸」(※1)という物質をつくります。 ※1:「短鎖脂肪酸」 腸内細菌が、食物繊維やオリゴ糖等を発酵させることによりつくられる。大腸で吸収され, 肝臓や筋肉で代謝されてエネルギー源となるだけでなく、カルシウム・マグネシウム・鉄の吸収を促進し、健康を維持する等の働きをするといわれている。 |
ストレスの緩和
「セロトニン」(※2)という脳の神経伝達物質は、心を安定させ、集中力や幸福感を高める働きがあります。 |
※2:「セロトニン」
必須アミノ酸トリプトファンから合成される脳内の神経伝達物質。他の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリン等の情報をコントロールし、精神を安定させる働きがある。セロトニンが低下すると、これらのバランスが崩れ、攻撃的な行動に影響したり、不安やうつ等の精神症状を引き起こすといわれている。
このように腸は、お腹だけでなく心身の健康にも関係しているため、腸内環境を善玉菌優勢の状態に整えることは健康維持・向上のために重要です。
腸内環境は、食生活の乱れや不規則な生活、睡眠不足等の影響で変化しやすく、悪化すると下痢や便秘、肌荒れ等の他、様々な不調として現れることもあります。
そのため、まずは普段の食事や生活習慣から見直してみることをおすすめします。
2.腸内環境を整えるポイント〜食事編〜
悪玉菌は、たんぱく質や脂質を主な栄養源としているため、動物性たんぱく質や脂質に偏った食事を取ると、悪玉菌が増える原因になります。腸内フローラを整えるためには、バランスの取れた食事が基本です。 |
(1) 善玉菌
乳酸菌・ビフィズス菌・納豆菌等の善玉菌を含む発酵食品を意識して摂りましょう。 <善玉菌を多く含む発酵食品の例> |
(2) 食物繊維
食物繊維には、水に溶けない「水溶性食物繊維」と、水に溶ける「不溶性食物繊維」の2種類があります。 <食物繊維を多く含む食品の例> |
(3) オリゴ糖
砂糖よりもカロリーが低い甘味料として知られています。 食物繊維と同様に、腸内の善玉菌の栄養源となって善玉菌を増やす働きがあります。 また、ミネラルの吸収を促進したり、砂糖の代わりに使用することで虫歯を予防する等の働きもあるといわれています。 |
3.腸内環境を整えるポイント〜生活編〜
腸内フローラのバランスは、食事以外にも様々な要因により変化します。
そのため、善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないためには、普段の生活習慣を見直していくことが大切です。
それでは、日常生活に取り入れやすい生活上のポイントをご紹介します。
(1) 適度な運動
デスクワーク中心の仕事や、移動手段に車を使うことが多い等で運動不足の状態が続くと、腸への刺激が少なくなり腸の働きが低下するため、腸内環境が乱れやすくなります。 |
(2) ストレスの解消
腸の働きは、自律神経によってコントロールされています。 | ![]() |
腸内環境を整えることは、お通じの改善を含め、心身の健康づくりに繋がります。 |
4.カワチ薬品栄養士おすすめレシピ
おなかの健康サポート「クリームチーズヨーグルト(梅肉ソースがけ)」
※ レシピは上のリンクをクリックするとPDFファイルをダウンロードして頂けます。
2021年3月1日 カワチ薬品ドラッグインフォメーショングループ
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-003.html