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テーマ食中毒を防ぐ工夫と強い体づくり

梅雨時から夏にかけては、気温と湿度の両方が上昇することから、細菌が繁殖しやすくなるため、一年で最も食中毒に気を付けなければならない時期です。食中毒には様々なものがありますが、原因の大半は、O-157やウェルシュ菌等の細菌性のものです。こうした細菌を、如何に繁殖させないようにするかが予防のポイントの一つです。 また、同じものを食べても、食中毒を起こす人と起こさない人がいます。その違いは、免疫力の差です。それだけに、日頃から免疫力を低下させない生活を心がけることも、予防の大切なポイントです。

 

1.食中毒予防の三原則

 食中毒は、飲食店での食事が原因というイメージが強いかもしれませんが、家庭で発生することも珍しくありません。
厚生労働省では、「菌を付けない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」を食中毒予防の三原則として掲げています。

(1) 「菌を付けない」

 食材に菌を付着させないように、手や調理器具等を清潔な状態に保ち、調理しましょう。手は指先、指の間までしっかり石鹸で洗いましょう。また、調理器具は、調理の度に小まめに洗いましょう。

 

(2) 「菌を増やさない」

 調理後、料理を常温の状態のまま放置しておくと菌が急速に増殖するので、すぐに食べない場合は、早めに冷却保存しましょう。
また、冷蔵庫を使用する際は、庫内の温度上昇を防ぐため、ドアを頻繁に開けたり、食品を詰め込み過ぎたりするのはやめましょう。

 

(3) 「菌をやっつける」

 多くの細菌やウイルスは加熱によって死滅するので、しっかり加熱してから食べましょう。
また、包丁等の調理器具も、洗って熱湯をかけるか、台所用殺菌剤を使って殺菌しましょう。

 

 

2.規則正しい生活で菌に負けない体づくりを

 食中毒は、一般的に子どもやお年寄りほど影響を受けやすい傾向が見られます。
子どもはまだ免疫機能が十分に発達していないこと、お年寄りの場合は体力の低下により免疫力も低くなっているためです。

私達の体には、元々、菌等から体を守る力、免疫力が備わっています。
例えば、唾液や胃液等にも、殺菌・抗菌作用を持つ酵素が含まれていて、 口から入った菌をやっつける働きをしています。

 しかし、免疫力は、疲労や睡眠不足が続いたり、ストレスを溜め続けたりしていると低下します。
また、仕事等が忙しくて食事をきちんと食べていない時や、風邪を放置して体力が落ちている時も同様です。

免疫力を十分に発揮させるためには、 疲れやストレスを溜め込まず、日頃から体調管理や生活習慣に気を付け、規則正しい生活を送ることが大切です。
まず、睡眠や食事はきちんと取るようにしましょう。
また、軽い運動や趣味等で気分転換をして、ストレスを解消することを心がけましょう。
仕事等で生活が不規則になっている時には、出来るだけ生ものは食べないようにする等、注意することも大切です。
 

 

3.食品の工夫で出来る食中毒対策

(1) 薬味やお酢を活用しましょう

 薬味に用いられる野菜、例えば、にんにくには「アリシン」(※1)、ショウガには「ジンゲロン」「ショウガオール」(※2)、ワサビには「アリルイソチオシアネート」(※3)、ミョウガには「ミョウガジアール」(※4)といった辛味成分が含まれており、これらには殺菌作用があります。

薬味は、肉や魚料理に、にんにくやショウガをすりおろして加えたり、野菜をわさびで和えたり、サラダにミョウガを添えたりすることで、料理に取り入れることが出来ます。

また、クエン酸や酢は、その酸味による食欲増進や疲労回復効果が期待出来ます。更に、高い防腐・殺菌作用も持っていますので、クエン酸を多く含む梅干しや食酢は、食欲が減退する暑い夏にピッタリです。
ご飯を酢飯にしたり、梅干しを混ぜる、野菜をピクルスにしたりと、食中毒が気になる時期には、料理に意識的に取り入れてみましょう。

 

※1:「アリシン」

 にんにく等の香りの強い野菜に含まれる成分。ビタミンB1と結合することで、その吸収を良くすると言われる。抗菌・殺菌作用を持つと言われるほか、疲労回復を助け、生活習慣病等の病気から体を守る働きがある。細胞を壊すことによりつくられるため、刻む、すりおろす等の加工をすると良い。

※2:「ジンゲロン」「ショウガオール」

 生のショウガに多く含まれる辛味成分「ジンゲロール」を加熱・乾燥させることで生成される物質。
殺菌作用を持つと言われるほか、「ジンゲロン」は血行と代謝を高める効果等が、「ショウガオール」は血流を良くする効果等が期待される。

※3:「アリルイソチオシアネート」

 ワサビの辛味成分で、抗菌・殺菌作用を持つと言われるほか、食欲増進効果等が期待される。

※4:「ミョウガジアール」

 ミョウガの辛味成分で、抗菌・解毒作用を持つと言われるほか、口内炎・のどの痛みを和らげるとされる。

 

(2) 味付けに工夫しましょう

 菌は、水分が多いと繁殖しやすくなります。

食塩や砂糖等の調味料には脱水作用があり、食品中の水分を外へ出したり、しっかり抱え込んだりして、菌が繁殖しにくい状態を作ります。

肉や魚を煮物にしたり佃煮にしたりする、野菜を塩漬けにしたり甘煮にしたりする等、やや濃いめ・甘めの味付けにすると保存性が高まります。

  

 

(3) ビタミンを取り入れましょう

 体の免疫力が弱い時ほど菌やウイルスは侵入しやすくなり、症状を悪化させてしまいます。
しかし、体に免疫力が充分にあれば、菌やウイルスを跳ね除けることが出来ます。
そのためにも、免疫力を高めるのに有用なビタミンを含む食材を取り入れてみましょう。

 
 


・ビタミンB1
 ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。
また、糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係していますが、最近では免疫細胞の維持にも深く関わっていると言われています。
豚肉、レバー、うなぎ、豆類や玄米等に多く含まれます。

 


 


・ビタミンA
 ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗い所でも目が慣れて見えるようになる機能に関わっています。更に、のどや鼻等の粘膜に働いて細菌から体を守る役割を持っています。レバー、緑黄色野菜に多く含まれます。

 

*RAE…レチノール活性当量(※5)。

※5:「レチノール活性当量」

β-カロテンはビタミンA活性を有するものの、生体利用率はレチノール(ビタミンA)の12分の1と見積もられているため、レチノールに相当する値として示している。レチノール活性当量(µg)=レチノール(µg) + 1/12β-カロテン当量(µg)。


 


・ビタミンC
 ビタミンCは、コラーゲンを作るのに不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。また、ウイルスの増殖を阻止する「インターフェロン」(※6)の生成を促進する働きもあると言われています。更に、「活性酸素」(※7)から体を守る働きをするため、動脈硬化や心疾患を予防することが期待出来ます。果物、野菜に多く含まれます。

※6:「インターフェロン」

 ウイルス等に感染した時、感染した細胞が生体を守るため、このウイルスに対抗するために作り出すたんぱく質の一種。ウイルスの増殖を抑えたり、体の免疫力を活性化する働きがある。

※7:「活性酸素」

 大気中の酸素よりも活性化された酸素で、不安定で色々な物質と反応しやすい性質を持つ。呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が不完全に還元されて活性酸素になる。様々な体の成分と反応し代謝を調整する一方、過剰に生じたものは細胞を傷付け、老化・がん・動脈硬化・その他多くの疾患をもたらす重要な原因となる。

 


 


・ビタミンE
 ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。この働きから、生活習慣病や老化と関連する疾患を予防することが期待されています。また、抗酸化作用により、「免疫細胞」(※8)が活性酸素によって損傷を受けるのを防ぎます。植物油、魚介類に多く含まれます。

※8:「免疫細胞」

 血液中に含まれる白血球のこと。血液を通じて体中に存在し、体内に侵入してきたウイルスや細菌等と戦い、生体を守る働きをしている。「マクロファージ」「樹状細胞」「NK細胞」等、様々な免疫細胞が存在し、連携している。  

 

 

4.腸内環境を整えましょう

 細菌やウイルスから体を守る重要な役割をしているのが、腸内細菌です。
腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に大別されます。
体の健康のためには、悪玉菌に対し善玉菌の割合が優位な状態が良いと言われています。 

腸の調子が悪いと、この腸内細菌のバランスが崩れてしまうだけでなく、免疫機能にも影響が出てしまい、抵抗力の低下に繋がります。
そこで、善玉菌を増やし、腸内のバランスを整えることが大切です。
善玉菌を増やすには、ビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維を多く含む食べ物がおすすめです。

 

 

(1) 腸内環境を整える食品


・ビフィズス菌・ 乳酸菌

善玉菌の代表とも言えるビフィズス菌や乳酸菌を積極的に摂ることで、元々腸内に存在している善玉菌が好む環境に腸内が整えられ、最終的に善玉菌を増やすことに繋がります。  

 このような善玉菌を含む食品は、ヨーグルトや乳酸菌飲料としても販売されているので、活用してみましょう。

乳酸菌は、発酵食品のヨーグルトや納豆、味噌、キムチ等の漬物に含まれています。
手軽に利用出来る便利なものとして、ビフィズス菌やオリゴ糖等と一緒に乳酸菌が配合されている機能性が表示された商品もあります。
 

・オリゴ糖
 オリゴ糖は、体内でビフィズス菌等の善玉菌の栄養源となることから、腸内で善玉菌を増やすと言われています。
オリゴ糖は、きな粉、ごぼう、玉ねぎ、バナナ等に含まれています。

・食物繊維
 食物繊維を多く含む食べ物を積極的に摂取することで、悪玉菌が増えるのを抑えたり、排出を促進したり、腸内環境を整えることが出来ます。
食物繊維は、果物やキノコ、海藻等に含まれています。

 

(2) こんな時には注意!

 一般に食中毒の症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱等が代表的なものですが、細菌の種類や人によっては、最初に微熱や食欲不振の症状が出て、風邪と間違えることもあります。

下痢や嘔吐が治まらない場合や発熱を伴う場合は、すぐに病院に行くようにしましょう。

また、下痢が続く時には、スポーツドリンクやお茶等で水分補給をし、脱水症状を起こさないように気を付けましょう。

今年の夏は、猛暑とも言われています。腸内環境を整え、免疫力を高めて、暑さや菌に負けない体づくりを目指しましょう。

その他、食中毒に関する情報は、薬剤師コラムをご覧下さい。

5.カワチ薬品栄養士おすすめレシピ

夏野菜とお魚を美味しく 「アジのさっぱり梅マリネ」

レシピは上のリンクをクリックするとPDFファイルをダウンロードして頂けます。 

2017年6月1日 カワチ薬品 ドラッグインフォメーション室

参考:●厚生労働省「日本人の食事摂取基準」ウェブサイト
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

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