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テーマ運動時の水分・栄養補給のポイント

 手軽に始めることが出来、無理なく続けやすいのが魅力のウォーキング。両手両足を動かすウォーキングは、想像以上にしっかりと汗をかく運動のため、水分補給が欠かせません。特に、発汗量が多くなる暑い時期は、熱中症等から身を守るためにも、ウォーキング中や、前後の水分補給が非常に重要です。そこで、体調管理に役立つ、ウォーキング等、運動時の水分補給・栄養補給のポイント等をご紹介します。

1.運動時の水分補給の役割

 私達の体内は、個人差はありますが、成人の場合、水分が体重の50〜70%を占めています。
 この水分には、塩分等のミネラルが含まれ、酸素や栄養素を全身に運び、老廃物を体外へ出したり、汗となって体温の調節をしたりと、体内の環境を保つ様々な働きをしています。
 体内の水分が正常に働くためには、水分量が十分にあること、そして、水分とミネラルのバランスが適切であることが大切です。

 運動をして体温が上がると、体は発汗によって体温を調整しようとします。
 気温の上昇や運動によって失われる汗の量は、1時間で2Lに及ぶこともあるため、発汗により失われた水分を補う必要があります。


 また、汗をかくと、水分に含まれていたミネラルも一緒に失われてしまうので、適度なミネラルの摂取も必要となります。

 運動時の水分補給には、上記のように、「体温の上昇を抑える」「水分、『電解質(ミネラル)』(※1)の補給」という役割があります。
 また、運動時に体内の水分量が体重の2%以上減少すると、運動パフォーマンスが低下するといわれており、水分補給は「運動パフォーマンスの低下を防ぐ」という役割も持っています。

 ですから、体温調節のため、また運動パフォーマンスを落とさないためにも、汗で失った水分や塩分を適切に補給することが大切なのです。

※1:「電解質」

 体液に含まれるミネラルで、水に溶けると電気を通す物質のこと。電解質が水に溶けることでイオンとなり、イオンは細胞の水分量を調節し、細胞や臓器の機能に関わる等、人体に重要な役割を持つ。主な電解質として、ナトリウム、クロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム等がある。

 

2.水分補給の注意点

(1) 運動開始30分前までに、250〜500mLの水またはスポーツドリンクを飲んでおく

 運動の直前に水分を摂り過ぎると、胃が重くなり、運動時の負担となるため、運動を始める30分前までに、250〜500mL程度の水分を数回に分けて摂っておくようにしましょう。
 

(2) 運動中は、こまめに、のどの渇きを感じる前に飲む

 運動中の水分補給は、一度に大量に飲むと、水が胃に溜まってパフォーマンスに影響してしまうため、出来るだけこまめに水分補給をすることが大切です。

 理想的には、15分毎に100〜250mL程度の量が目安です。15分毎に補給するのが難しい場合は、1時間で合計500〜1,000mLを目安に補給するようにすると良いでしょう。
 また、飲んだ水分は、吸収されるまでに時間がかかります。のどが渇いてから水分補給すると、水分が体に吸収されるまでの間に脱水が進行してしまうため、「のどが渇いた」と感じる前に水分補給を行うことが大切です。

 ウォーキングの際には、ペットボトルや「スクイズボトル」(※2)等を携帯するか、途中でドリンクを購入出来るように、小銭を用意しておきましょう。

※2:「スクイズボトル」

 ポリエチレン、ポリプロピレン等の柔らかく、丈夫な素材で出来た携帯用ボトルのこと。スクイズ=しぼり出すという名の通り、ボトルを握り、中の飲み物を押し出して飲む。スポーツ向けに作られているため、軽量で握りやすく、片手で飲み口が開けやすい物が多い。

 

 


(3) 水分と一緒に塩分も補給する

 運動で汗をかくと、水分だけでなく塩分等のミネラルも体外に排出されます。
 大量に汗をかいてミネラルが失われた時、水だけを過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が薄まります。
 すると、それ以上ナトリウム濃度が下がらないように、のどの渇きが無くなって水を飲みたい気持ちが消えてしまったり、余分な水分を尿として排出しようとしたりする状態に陥ります。
 この状態になると、汗をかく前の体の水分量を回復出来なくなるため、注意が必要です。

 そのため、特に夏の暑い時期や、汗を沢山かいて脱水量が多い時には、塩分を含んだ飲料を選ぶことが大切です。
 水分補給として、日本スポーツ協会は、0.1〜0.2%の食塩(ナトリウム40〜80mg/100mL)と糖質を含んだ飲料を推奨しています。



 糖質を含んだ飲料が推奨される理由としては、糖質はエネルギー源になること、また、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。
 特に、1時間以上の運動をする時は、4〜8%の糖質を含んだ飲料を摂取すると、疲労の予防に役立ちます。市販のスポーツドリンクがこれに当てはまります。

 また、温度に関しては、体への吸収が早く、クールダウンが効果的に出来ることに加え、飲みやすさの観点から、5〜15℃の水分が良いとされています。


 


(4) 運動後も、こまめに水分補給する


 運動した直後や翌日は、体の水分量が減少するといわれています。
 だからと言って、運動後にスポーツドリンクをがぶ飲みしてしまうと、その後の食事を消化する体液が薄まり、消化不良を起こしやすくなる等、リカバリーに必要な栄養をきちんと摂れなくなってしまいます。
 そのため、こまめな水分補給を心がけ、食事が取れなくなるような飲み方はしないようにしましょう。
 

3.運動時の栄養補給について

 運動時の水分補給と合わせて考えたいのが、栄養補給です。健康的にウォーキングを楽しむためにも、栄養補給のポイントを知っておきましょう。

 

(1) 空腹・満腹での運動はNG!

 空腹状態や満腹状態での運動は、あまりおすすめ出来ません。
 ダイエット効果が高まると考えて空腹状態で運動をする方もいらっしゃいますが、何も食べずにエネルギー源が無い状態で運動をすると、体はエネルギーが不足していると判断し、出来るだけカロリー消費を抑えようとしてしまうため、逆効果になってしまう可能性もあります。

 また、満腹状態の運動も、あまりおすすめ出来ません。
 食事を取った後は、胃や腸等の消化を行う器官に血液が集まり、食べ物を消化するために忙しい状態です。そのような状態で運動を始めると、内臓や体に余計な負担がかかってしまいます。

 空腹の時は、バナナやエネルギーゼリー等、消化の良いものを摂ってから、満腹の場合は、1〜2時間程度経って消化が落ち着いてから、ウォーキングを始めるように心がけましょう。
 


(2) 運動後の栄養補給について


 運動後は、代謝が上がり、体がエネルギーを欲している状態となります。また、運動によって筋肉に負荷がかかり、傷付いた状態のため、運動後の栄養補給は、疲労回復や筋肉をつくるために、とても大切です。
 運動直後、出来るだけ早く「糖質」と「たんぱく質」を摂取することで、効率良く疲労回復と筋肉の修復を行うことが出来ます。
 

・糖質の補給
 運動後は、筋肉に貯め込まれていたエネルギー(「グリコーゲン」(※3))が消耗しています。
 エネルギー消耗による疲労回復には、運動後、グリコーゲンをつくる原料である糖質を、如何に効率良く補給するかがポイントとなります。
 運動後、30〜45分以内に体重1kgあたり約0.7gの糖質を摂るのが理想と考えられています。体重70kgの方の場合は約50g、200kcal程度です。

 運動直後はすぐにしっかりとした食事が取れる状況に無かったり、食事がのどを通らなかったりすることが殆どではないかと思います。
 そういった時には、おにぎり、あんパン、果物、果汁100%のジュースやエネルギーゼリー等の軽食を少量食べるようにすると良いでしょう。

※3:「グリコーゲン」

 動物の殆どの細胞に存在する糖。動物が糖を摂取すると、肝臓でグリコーゲンに変えられ、主に肝臓や筋肉等に貯蔵される。分解されることでブドウ糖となり、筋肉等のエネルギー源となる。


 


・たんぱく質の補給

 運動後の疲労回復のためには、負荷のかかった筋肉を修復する材料となるたんぱく質が欠かせません。糖質に加え、たんぱく質を摂るようにしましょう。

 運動直後、たんぱく質を、可能な限り速やかに体内に取り込むため、牛乳・ヨーグルト・吸収の速いプロテインやプロテイン入りのゼリードリンク等を活用すると良いでしょう。

 なお、糖質とたんぱく質を3:1の割合で摂取すると、消耗したグリコーゲンの回復も早まります。

 但し、運動直後の「補食」(※4)だけでは十分な栄養補給とは言えません。
 家に帰ったら、バランスの良い食事をしっかり取り、運動時に消費した糖質・たんぱく質と合わせて、十分なビタミン・ミネラルを補給しましょう。

※4:「補食」

 3食の食事で補い切れない栄養素や成分を補うために摂取する食事のこと。運動のエネルギー源となる炭水化物、ビタミン・ミネラルを豊富に含むもの、消化しやすいものを選ぶと良いとされる。


 ウォーキングは、気軽にチャレンジ出来る運動の一つです。運動は、継続することで、より健康効果を得ることが出来ます。水分補給や栄養補給のポイントをご参考に、ウォーキングやその他の運動を自分のペースで楽しみつつ、健康的な毎日を過ごしましょう。
 

4.カワチ薬品栄養士おすすめレシピ

たんぱく質の補給に「抹茶と黒豆のカップケーキ」

レシピは上のリンクをクリックするとPDFファイルをダウンロードして頂けます。 

2018年9月3日 カワチ薬品ドラッグインフォメーション室
参考:・(公財)日本スポーツ協会ウェブサイト  http://www.japan-sports.or.jp/
・大塚製薬(株)ウェブサイト https://www.otsuka.co.jp/
・(株)明治ウェブサイト https://www.meiji.co.jp/

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