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テーマ夏の食生活と水分補給のポイント

暑い夏の時期は、つい冷たい飲み物や食べ物を摂りたくなります。しかし、冷たい物ばかりを摂り過ぎると、胃腸が冷え、胃腸トラブルの原因となります。また、食欲が無いからといって、食事を抜いたり、食べやすいものばかりを食べていると、体に必要な栄養が不足しやすくなってしまいます。暑い夏を元気に過ごすために知っておきたい、食生活と水分補給のポイントをご紹介します。

1.胃腸の調子を整える食生活のポイント

(1) 食事は決まった時間に取る

 食事を毎日決まった時間に取ることで、体内リズムが整い、胃腸の調子も整いやすくなります。
 

<こんな方は注意しましょう>
 □ 朝は忙しいので、朝食を抜いている。
 □ 帰宅時間が遅く、夕食の時間が就寝間際になってしまうことが多い。
 □ 間食を取り過ぎてしまいがち。


空腹の状態が長時間続くと、胃液の酸度が高いままとなるため、胃の粘膜に障害を起こしやすくなります。

 特に、朝食を抜いてしまった場合、前日の夕食後から翌日の昼食まで、長い時間、空腹の状態が続くため、胃に大きな負担をかけてしまうことになります。そのため、朝食はしっかり食べる習慣を付けましょう。

また、就寝直前に食事を取ると、消化のために胃に大きな負担がかかり、睡眠の質も下がってしまいます。
仕事が忙しい等で夕食の時間が遅くなる場合は、予め夕食の時間帯に、おにぎりやパン等を軽く食べておき、就寝前の食事は軽く済ませるようにすると、胃の負担を減らすことが出来ます。

なお、間食のし過ぎで食事が取れなくなってしまうのも良くありません。
栄養が偏る原因になりますので、間食をする時は、食事に影響しない程度(200kcal以内を目安)に抑えるようにしましょう。

 

(2) よく噛んで、ゆっくり食べる

 食事の時、ついつい早食いになり、食べ物をあまり噛まずに飲み込んではいませんか?よく噛んで食べると、次のように良いことが沢山あります。

・ 噛むことで、胃液や唾液等の消化液の分泌が増え、消化しやすい状態になる。
・ 食べたものが細かくなり、唾液と混ざり合うため、消化されやすくなる。
・ 満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎを防げる。
・ 脳内神経系が活性化し、脂肪組織の分解が促進される。

 よく噛んで食べるためのポイントとして、「スマホを見ながら」「新聞を読みながら」等の「ながら食べ」を避け、食事を楽しむようにしましょう。

 

(3) 胃腸の調子が悪い時は、疲れた胃腸を労わる

 食べ過ぎ・飲み過ぎの後等に、胸焼けがしたり、胃が重い等、胃腸が弱っていると感じた時は、次の4つの点に注意しましょう。

 

●胃腸にやさしい食材を選びましょう
 胃腸への負担が少ない、消化の良い食材として、大根、玉ねぎ、魚の白身、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルト、りんご、バナナ等が挙げられます。
また、山芋には、炭水化物の消化を助ける消化酵素の「アミラーゼ」(※1)や、胃壁の粘膜を保護するネバネバ成分の「ムチン」(※2)が含まれており、胃腸の疲れを感じた時、特にお勧めの食材です。

・アミラーゼ…かぶ、大根等に多く含まれる。
・ムチン…オクラ、モロヘイヤ、なめこ等に多く含まれる。

※1:「アミラーゼ」

 すい臓と唾液腺から分泌される消化酵素。米やパン等に含まれているでんぷん(炭水化物)等の糖類を、ブドウ糖やマルトース(麦芽糖)へ分解する。

※2:「ムチン」

 糖とたんぱく質が結合することによって出来る多糖類で、納豆・山芋・オクラ等のぬめりのもととなる成分。唾液・胃液等の分泌物、胃腸の粘液、涙等、ヒトの体内にも存在する。優れた保水力を持つほか、粘膜を保護する作用、たんぱく質の吸収を促進する働きがある。熱に弱いため、摂取する際は生のままか、短時間の加熱に留めるのが望ましい。

 

●脂肪分の多い料理は控えましょう
 脂肪は消化に時間がかかるため、揚げ物等の脂肪分の多い料理は、胃腸の負担を大きくします。
例えば、りんごが1〜2時間で消化出来るのに対し、天ぷらは消化に4時間前後かかるとされています。
そのため、胃腸が疲れている時には、脂肪分の多い揚げ物等は控えるようにしましょう。


●刺激の強い食品は避けましょう
 温度が熱過ぎるもの、冷た過ぎるもの、味の濃いもの、コーヒーや紅茶等のカフェインを多く含むもの、香辛料の多いものは、胃の粘膜を刺激するため、胃の調子の悪い時は避けましょう。

●アルコールは適量にしましょう
 大量の飲酒や、空腹時の飲酒は、胃を荒らす原因となります。
飲酒する際は、おつまみとともに適量を楽しみましょう。

 

 

2.夏に不足しがちな栄養素と摂取のポイント

 夏は、冷たく、手軽に食べられるそうめんや冷やし中華等の麺類等、炭水化物中心の食事になりがちです。
しかしそれでは、必要なたんぱく質やビタミン・ミネラル等の栄養素が不足し、炭水化物をエネルギーに変えられないため、体のだるさや、体が疲れやすい状態を招いたり、食欲不振等の症状に繋がってしまいます。
特に、夏に不足しやすい栄養素は、次の3つです。
 

(1) たんぱく質

 たんぱく質は、動物性のたんぱく質(肉類や魚類、鶏卵等)と植物性のたんぱく質(主に豆類等)に大きく分けられます。
一般的に、「動物性のたんぱく質:植物性のたんぱく質」=「1:1」で摂ることが理想的といわれています。
動物性のたんぱく質を多く含む食材には、脂肪分も多く含まれていることが多く、胃腸に負担がかかりやすいため、動物性のたんぱく質ばかりに偏りがちな方は、植物性のたんぱく質を多く含む食品を摂ることを心がけましょう。

 

◇ポイント
 牛肉・豚肉は、脂の多いバラ肉よりも、ヒレ肉・モモ肉・ロースを選び、鶏肉は、脂身無し・皮無しのものを選びましょう。

 


(2) ビタミンB1

 ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンです。糖質が多く含まれるアイスや甘いジュースの摂り過ぎによって糖質摂取が過剰になると、ビタミンB1が不足してしまいます。食事からしっかりと補いましょう。

 
また、白米を玄米に、食パンをライ麦パンに替えると、ビタミンB1を多く摂ることが出来るので、おすすめです。

・精白米ご飯[普通盛り1杯(200g)]…0.04mg ⇒ 発芽玄米ご飯[普通盛り1杯(200g)]…0.26mg
・食パン[6枚切り1枚(60g)]…0.04mg ⇒ ライ麦パン[6枚切り1枚(65g)]…0.10mg

 


(3) 鉄分

 汗をかくと、水分とともにミネラルが体内から失われます。中でも鉄分は、不足すると貧血を起こしやすく、疲れを感じやすくなるため、夏の暑い時期は意識して摂取しましょう。
 

◇ヘム鉄と非ヘム鉄
 鉄には、動物性の食品に多く含まれる「ヘム鉄」(※3)と、植物性の食品に多く含まれる「非ヘム鉄」(※4)があります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄に対し、体内への吸収率が2〜3倍高いという違いがあります。しかし、動物性の食品ばかりでは、カロリーや脂質が高くなりやすいため、植物性の食品から、非ヘム鉄も補給するようにしましょう。
吸収率の低い非ヘム鉄ですが、ビタミンCを摂ることで吸収が促進されるため、上手に組み合わせて摂るようにしましょう。

※3:「ヘム鉄」

 赤血球の中に含まれるヘモグロビンを構成する鉄分で、酸素を身体の隅々まで運ぶ役割を担っている。肉や魚等の動物性食品に多く含まれており、たんぱく質と結合しているため、吸収されやすい。

※4:「非ヘム鉄」

 ヘム鉄以外の無機鉄で、主に植物性食品に多く含まれる。そのままの形では吸収されず、還元された後に吸収される。吸収された鉄は、酸化され、たんぱく質と結合し、血液に乗って体中に運ばれる。

 
 

 
 

3.夏の水分補給のポイント

 夏の時期、熱中症・脱水症予防のために水分補給が欠かせません。そこで、正しい水分補給の仕方をご紹介します。

 

(1) 適度にミネラルの入った飲料を選びましょう

 汗をかくと、水分だけでなく、ミネラルも体外に流れ出てしまいます。
暑い日に長時間外出する時や、運動等で大量に発汗した時、塩分の含まれていない水やお茶で過剰な量の水分補給をすると、体液が必要以上に薄まってしまい、「水中毒」(※5)といわれる危険な状態になってしまう場合があります。

市販の飲料から選ぶ場合は、0.1〜0.2%の塩分(ナトリウム40〜80mg/100ml)を含んだ一般的なスポーツドリンクを選びましょう。

 特に、1時間以上運動をする時は、エネルギー補給のためにも、糖質を4〜8%程度含んだものがおすすめです。
また、カルシウム・マグネシウム・カリウム・鉄分等のミネラルも併せて補給すると良いでしょう。

※5:「水中毒」

 水分の摂り過ぎによって、血液中のナトリウム濃度が低下した状態(低ナトリウム血症)となること。症状は、頭痛や倦怠感から始まり、重症化すると、吐き気やけいれんを起こす。更に重症の場合は、意識障害や昏睡状態となり、最悪の場合、死に至ったケースも報告されている。

 

(2) 適温(5〜15℃)の水分をこまめに摂りましょう

 冷蔵庫で冷やした水が5℃前後です。5〜15℃に冷やして飲むことで吸収が早くなり、体温上昇の抑制にも効果があります。
しかし、冷たい飲み物を一気に飲むと、胃腸が冷える原因になるため、少量(150〜200ml)ずつをゆっくりと、こまめに飲むようにしましょう。

 

(3) 夏場は、コップ2杯分多く飲みましょう

必要とする水分量は、気温やその方の体格、運動状態等によっても変わりますが、一般的に、成人男性が安静にしている時に必要な水分の摂取量は、1.2Lといわれています。多くの方は不足気味ですので、熱中症予防のために、夏場は意識してコップ2杯分多く飲むようにしましょう。

(4) 水分補給のタイミング

特に体から水分が失われやすい起床時、運動の前後、入浴の前後、就寝前等のタイミングは、忘れずに水分補給を行いましょう。

 

 夏は、胃腸トラブルが起こりやすい季節です。胃腸にやさしい食事、正しい水分補給の知識を身に付けて、この夏を元気に過ごしましょう。
その他、毎日のお食事や栄養に関するご質問・お悩みは、お気軽に店頭の栄養士までご相談ください。

 

 

4.カワチ薬品栄養士おすすめレシピ

薬膳レシピ「山芋と豚肉炒め」

レシピは上のリンクをクリックするとPDFファイルをダウンロードして頂けます。 

2018年6月1日 カワチ薬品 ドラッグインフォメーション室
参考:・全国健康保険協会ウェブサイト https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
・国立健康・栄養研究所ウェブサイト http://www.nibiohn.go.jp/eiken/
・公益財団法人日本スポーツ協会ウェブサイト  http://www.japan-sports.or.jp/
・厚生労働省ウェブサイト「健康のために水を飲もう」推進運動:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/
kenkou/suido/nomou/index.html

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