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テーマ腸内環境を整えて、健康的な体に!

 健康的な体づくりには、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が重要です。それだけではなく、近年では、腸内環境が健康に密接に関係していることが分かってきました。今回は、腸内環境を整えるポイントと合わせて、代表的な菌である乳酸菌の持つ健康機能をご紹介します。普段の健康づくりに是非お役立て下さい。

1.腸内環境と健康な体

 人間の腸内には、約1,000種類、100兆個もの細菌が生息しています。
 腸内細菌は、その種類毎に集団を形成しており、顕微鏡で腸の中を覗くと、まるで植物が群生して花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
 腸内フローラは、善玉菌・悪玉菌・そのどちらでもない中間の菌である日和見菌の3つのグループで構成され、互いに密接な関係を持ち、バランスを保ちながら共存しています。

 健康的な腸内とは、悪玉菌に対し善玉菌が優勢な状態です。
 善玉菌は、「血清コレステロール」(※1)を低下させる効果の他に、腸の持つ免疫の機能にも深く関わっています。

※1:「血清コレステロール」

 血液中に含まれるコレステロールのこと。過剰もしくは不足した状態になると、動脈硬化等の原因となる。肝細胞で作られ、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割を持つLDL(悪玉)コレステロールと、体内の血管壁に溜まったコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つHDL(善玉)コレステロールがある。

 

 ウイルスや病原菌等が口や鼻から体内に侵入すると、多くは胃酸によって殺菌され、生き残ったものは腸に存在する免疫細胞が働いて排除します。
 この仕組みを「腸管免疫」といい、体を守る免疫機能の一つとされています。

 腸管免疫は、「免疫細胞」(※2)が、侵入した外敵に対して的確に対応出来るように訓練する役割も担っています。
 腸には、全身の免疫細胞の約70%が集まっているとされており、ここで訓練を受けた免疫細胞が血液の流れによって全身に運ばれ、侵入した外敵から私達の体を守っています。

 しかし、食生活の乱れや不規則な生活、ストレス、便秘等が積み重なると、悪玉菌が増えて体に悪い影響を及ぼすようになります。
 例えば、肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症等の疾患と密接な関係があると考えられており、これらの疾患を抱える方は、健康な方と比べて腸内環境が大きく悪玉菌寄りに変化しているといわれています。

 腸内フローラのバランスが崩れると、悪玉菌がつくり出した有害物質等によって腸管免疫が影響を受け、全身の免疫細胞の働きの低下へと繋がります。
 そのため、腸内フローラを善玉菌優勢に保つことが全身の免疫の働きを維持する助けになり、健康維持に関わっていると考えられています。

 

※2:「免疫細胞」

 血液中に含まれる白血球等の細胞のこと。血液を通じて体中に存在し、体内に侵入してきたウイルスや細菌等と戦い、生体を守る働きをしている。「マクロファージ」「樹状細胞」「NK細胞」等、様々な免疫細胞が存在し、連携している。

 

2.善玉菌を優勢に保つポイント

 それでは、どのようにして善玉菌を優勢に保てば良いのでしょうか。2つのポイントをご紹介します。

 1つ目は、生きた善玉菌である「プロバイオティクス」(※3)を積極的に摂取することです。
 ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆等の乳酸菌・ビフィズス菌を含む食品や、これらを含有するサプリメント・整腸剤等を毎日続けて摂取することがおすすめです。
 なお、善玉菌は生きたまま腸に到達した方が、効果が期待出来るといわれていますが、そうでない場合でも、腸内環境を整えることに役立っているものと考えられています。

 2つ目は、腸内に元々存在する善玉菌を増やす働きのある「プレバイオティクス」(※4)を摂取することです。
 食品に含まれる成分としては、オリゴ糖や食物繊維=野菜・果物・豆類等に多く含まれています。

 このプロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせて摂ることで、腸内フローラを善玉菌優勢に保つことが出来ます。
 例えば、乳酸菌を含むヨーグルトとオリゴ糖を含むバナナを合わせて毎日の朝食にプラスする等です。

※3:「プロバイオティクス」

 乳酸菌等の腸内環境を整える微生物の内、生きて腸に到達出来、人に有益な作用をもたらすもののこと。

※4:「プレバイオティクス」

 オリゴ糖や食物繊維等、善玉菌の栄養源となり、増殖を助けるもの。野菜類・果物類・豆類等に多く含まれている。

 

 なお、腸内フローラは個人によって異なることから、個人毎に合う菌もそれぞれ異なるという説があります。
 ヨーグルト等は、製品によって菌の種類が異なり、その他の食品でも含まれる菌の種類が異なるため、2週間程度続けて摂取し続けてみて、お腹の調子が変わっているかどうかを確認すると良いでしょう。
 確認の方法として、腸内フローラの様子を直接観察することは出来ませんが、便の状態から確認することが出来ます。

 
便の状態の例

○腸内環境が良い状態:滑らかなバナナ状、黄土色〜茶色、臭いはそれ程強くない
○腸内環境が乱れている状態:硬い便、軟便(泥状〜水様便)、便の色が濃い、臭いがきつい等
 


 

 なお、軟便や便秘等の症状があり、食事だけではすっきりしないという方には、一度に多くの善玉菌を取り込むことの出来るサプリメントや整腸剤等を活用すると良いでしょう。
 特に「ラクボン原末」(※5)や「納豆菌」(※6)が配合されているものは、胃酸に強く、腸内フローラを速やかに整えてくれるのでおすすめです。
 その他にも、悪玉菌の増殖を抑える「ビフィズス菌」(※7)が配合されているもの、腸に溜まったガスを出しやすくする「ジメチルポリシロキサン」(※8)等、腸の不快な症状を和らげる成分が配合されているものもありますので、ご自身の目的に合わせて選びましょう。

※5:「ラクボン原末」

 乳酸菌の中でも胞子を形成する「有胞子性乳酸菌」の一種で、熱や胃酸に対し安定性が良い。腸内で繁殖して乳酸をつくり、腐敗菌等の悪玉菌の増殖を抑え、腸の働きを整える。

※6:「納豆菌」

 稲わらや枯れ草等に住む、納豆が出来る時に働く菌で、人の腸内で活性化し、有益な働きをする。例として、乳酸菌等の善玉菌を増殖させる。悪玉菌を抑制し、腸内細菌のバランスを整える。ビタミンKを豊富に合成する等。

※7:「ビフィズス菌」

 人や動物の大腸内に生息する善玉菌。人の腸には1〜10兆個存在するといわれ、その数は、乳酸菌の100倍以上を占める。糖を分解して乳酸・酢酸をつくり、悪玉菌の繁殖を抑制する等、腸内環境を良好に保つ働きをする。加齢に伴って減少していく。

※8:「ジメチルポリシロキサン」

 表面張力を低下させ、消泡作用をもつシリコンの一種。胃腸管内のガス気泡を破裂させ、体外へ排出しやすくする。膨満感等、胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善等に用いられる。


 腸内フローラのバランスは、不規則な生活習慣だけではなく、年齢とともに悪玉菌優勢に偏りがちになります。
 腸の状態について、ご自身の生活習慣や症状の有無等にもよりますが、食生活を一度見直してみると良いでしょう。
 また、善玉菌を取り入れるにもヨーグルト等が苦手であったり、食事の量が取れない等がある場合には、簡単に摂れるサプリメント・整腸剤等で手軽に取り入れることが出来るため、おすすめです。

 

3.乳酸菌の持つ健康機能

 これまで、腸内フローラや腸内のバランスの保ち方等について説明してきましたが、ここでは、善玉菌の中でも代表的な菌である乳酸菌の持つ健康機能をご紹介します。
 昨今の研究により、一部の乳酸菌には、免疫細胞を活性化したり、脂肪の吸収を抑え内臓脂肪を減らすことを助ける等、健康づくりに役立つ様々な機能を持っていることが明らかになってきました。
 近年では、これらの特長を持つ乳酸菌を取り入れた商品が、特定保健用食品や機能性表示食品としても販売されています。
 菌種により、どのような特長があるのか、ご自身のお悩みに合わせてご覧頂けるよう、その一部をご紹介します。

 

 

抵抗力の維持が気になる方に

 健康な方の免疫機能の維持をサポートする乳酸菌として「プラズマ乳酸菌」があります。
免疫の司令塔である細胞を直接活性化する働きが報告されており、ヨーグルト・飲料・サプリメント等に取り入れた商品があります。
 また、特定保健用食品や機能性表示食品ではありませんが、ウイルス等の侵入経路になりやすい目、鼻、口のバリア機能に関わるとされる「乳酸菌B240」を配合した飲料等の商品や、抵抗力の維持に役立つ「1073R-1乳酸菌」や「乳酸菌L-137」を配合したヨーグルトやサプリメント等の商品もあります。

 

 

生活習慣の乱れが気になる方に

 脂質や内臓脂肪組織に働きかけることで、脂肪の吸収を抑え内臓脂肪を減らすことを助ける働きがあるとされる乳酸菌の「ガセリ菌」、プリン体を分解し菌自体の栄養として利用することで食後の尿酸値の上昇を抑える働きがあるとされる「PA-3乳酸菌」があります。

 こちらもヨーグルトや飲むヨーグルト等の商品があります。
 ヨーグルトとしては、その他にも、胃の健康に役立つ乳酸菌を配合したものや、血圧・血糖値・中性脂肪に対する機能を表示した商品等もあります。
 ヨーグルトの風味が苦手な方には、味を変えた商品や、手軽に乳酸菌が摂れる顆粒タイプのサプリメント等の商品も販売されています。

 

 春は、生活の変化が多い時期であり、気温の寒暖差も大きいため体調を崩しやすい季節でもあります。
規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事を心掛けるとともに、今回のコラムをご参考に善玉菌を増やす等、腸内環境を整え、健康的な毎日を過ごしましょう。

 

2021年3月1日 カワチ薬品ドラッグインフォメーショングループ

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

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