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ロコモ対策で健康寿命を延ばそう!

 「ロコモ」という言葉をご存じですか?「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の略称で、骨や関節、筋肉等の運動器の障害により、歩行や立ち座り等の移動機能が低下した状態のことです。
元気に自立して過ごせる期間、いわゆる健康寿命を延ばすためにも、ロコモ対策を始めてみませんか?

1.健康寿命とロコモの関係

 健康寿命とロコモには密接な関係があります。元気で自立して過ごせる期間である健康寿命は、平均寿命よりも男性で約9年、女性で約12年も短いことが分かっています。長い人生を元気に過ごすためには、健康寿命を延ばすことが大切です。

 ロコモが進行すると、歩いたり動いたりするたびに関節の痛みが生じたり、バランス能力が低下する等、体を動かすことが徐々に困難になっていきます。その結果、移動機能が低下し、健康寿命が短くなる可能性があります。健康寿命を延ばすために、ここではロコモ対策についてご紹介します。

2. ロコモ対策のポイント

 骨や筋肉等の量は40歳頃から減り始め、50歳を過ぎた頃から急激に減少していきます。そのため、40歳を過ぎたらロコモ対策を始めることが重要です。足腰の筋力を強く保つ、十分なたんぱく質を含むバランスの取れた食事を心がける等のロコモ対策を始めましょう。

(1) 運動習慣を身につける

 ロコモ対策には、足腰の筋力を強く保ち、歩行や立ち座り等の移動機能を維持することが重要です。おすすめの運動は「スクワット」です。スクワットは、太ももやお尻等、下半身の大きな筋肉を鍛えることができます。まず、足を肩幅に広げて立ち、前傾姿勢になってお尻を後ろに引きながら、2~3秒間かけてゆっくりと膝を曲げ、ゆっくりと元に戻す動作を5~6回繰り返します。これを1日2~3セットを目標に行いましょう。スクワットを行う際は、息を止めないこと、膝を90度以上曲げないこと、太ももの筋肉にしっかりと力が入っていることを意識することも大切です。支えが必要な方は、机に手をついて行いましょう。

 その他、有酸素運動やストレッチを毎日の生活に取り入れましょう。活発な身体活動は、筋力アップだけではなく骨を強くすることにもつながります。ウォーキングや水泳、軽いジョギング等、体に無理のない範囲で続けられる運動を選びましょう。

(2) 筋肉づくりをサポートする食事

 毎日色々な食材から栄養素を摂ることが健康維持につながります。筋肉の主成分はたんぱく質です。筋肉は年齢とともに減少しやすく、多くのたんぱく質を摂る必要があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、体重1kgあたり1日1g以上のたんぱく質を摂ることが望ましいといわれています。手軽にたんぱく質の摂取量を増やす方法として、例えば、ほうれん草のおひたしに、しらす大さじ2を加えるだけでも、たんぱく質の摂取量を3g増やせます。他にも、たんぱく質を含むチーズやプリン、ヨーグルトをおやつにする、サプリメントや栄養補助食品でたんぱく質を補う方法もあります。

(3) 痛みがあるときの対処法

 ロコモの原因となる主な運動器疾患に、「骨粗しょう症」「変形性膝関節症」「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」があります。これらの疾患にかかると関節等に痛みが生じ、放置すると痛みが慢性化し、症状が悪化する恐れがあります。日常生活に支障がない程度の軽い痛みであれば、市販薬で対処が可能です。消炎鎮痛成分の「ロキソプロフェン」が配合された外用薬「ロキソニンSテープ」や内服薬「ロキソニンS」を使用したり、サポーターや腰痛ベルトで動きをサポートすることも有効です。ご自身に合ったセルフケアについて、ぜひ店頭で薬剤師や登録販売者等の専門家にご相談ください。

 ただし、じっとしていても痛む、動くと痛みが増す等、生活に支障をきたす症状がある場合や、軽い痛みでも6週間以上続く場合は、整形外科を受診することをおすすめします。

 適度な運動を習慣にすること、たんぱく質を十分に摂ること、また、痛みがある場合は適切に対処することで健康寿命を延ばし、元気に自立した生活を過ごしましょう。今すぐできることから始めて、いつまでも元気に過ごせる体づくりに取り組みましょう。

参考資料

・ 伊東明彦・中村智徳 編(2021)今日のOTC薬 解説と便覧 改訂第5版 南江堂

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2024.09.01